ニューヨークの中心マンハッタンの五番街と42丁目がクロスする交差点。
一流店が立ち並び、観光客が多く訪れる場所にニューヨーク公共図書館があります。
現地ではニューヨークパブリックライブラリー(New York Public Library)と名が付いていることから、「ニューヨーク市立図書館」と訳されることもありますが、ニューヨーク市などの自治体が運営しているわけではなく民間からの寄付によって成り立っている”公共”図書館です。
ボザック調の荘厳な建築が、ニューヨークの街に違和感なくたたずんでいます。
ニューヨーカーや、ここの資料を必要とする研究者たちに愛され、ニューヨークを舞台とする映画にも多く出演しています。
ニューヨーク公共図書館が出てくる映画一覧
作品名 | 公開年 | NYPLの登場シーン |
ティファニーで朝食を | 1961年 | ポールがオードリー・ヘプバーン演じるホリーに、自分のお気に入りの場所として紹介した図書館。 |
ゴーストバスターズ | 1984年 | |
スパイダーマン | 2002年 | 主人公のピーターが、この後に起こることを予測できず、「勉強をする」といって伯父さんに送ってもらった場所。 |
デイ・アフター・トゥモロー | 2004年 | 図書館の正面から高波が押し寄せ、サムが避難場所として選んだ場所。館内に避難した主人公たちは本を焼いて暖をとるるなど、図書館でほとんどのシーンが撮影されています。 |
セックス・アンド・ザ・シティ | 2008年 | サラ・ジェシカ・パーカー演じるキャリーが、長年の恋人のビッグとの結婚式の会場として選んだ場所です。 |
図書館がデートスポットに
映画『ティファニーで朝食を』で、新進作家のポール(ジョージ・ペパード)がオードリー・ヘプバーン演じるホリーに、自分のお気に入りの場所として紹介したのがニューヨーク公共図書館でした。
ちなみに「ティファニー」がもっともお気に入りであるホリーにとって、図書館のサービスはお気に召さなかったようです。
>>ケーススタディ009:生真面目な司書は、ティファニーの接客を見習うべき?
しかし、図書館の存在を知ってからというもの、ホリーはひとりでもこの図書館を利用するようになります。
>>ケーススタディ010:図書館の場所と使い方を知ったら、どのように使う?
ニューヨークのゴーストが図書館で目覚める
図書館前で大事件に遭遇
図書館で起こることは、いつもロマンチックなことばかりとは限りません。
スパイダーマンの主人公ピーターは、賞金稼ぎのためにプロレス大会に出場することにします。
しかし、正直にそのことが言えず「図書館で勉強する」と嘘をついて、伯父さんにこの図書館まで車で送ってもらいます。
その後、この図書館の前で伯父さんは事件に巻き込まれてしまい、その贖罪の気持ちを背負って、ピーターはヒーローとなり、ニューヨークの街を守ることを決意します。
スパイダーマンでは、ほかにもニューヨークにあるコロンビア大学ロウ記念図書館(Law memorial library)が登場します。
ここも、NYPLと同様、ボザール様式の美しい建築として有名な図書館です。
図書館がシェルターになる
図書館の正面から津波が押し寄せるという衝撃的なシーンに加え、館内に避難した主人公たちが本を焼いて暖をとるという場面で、本の価値について考えさせられたのが『デイ・アフター・トゥモロー』です。
人間が作り出した「地球温暖化」をテーマにした内容ですが、人間による環境破壊から起きた災害にもかかわらず、自分たちの命を守るために図書館に避難した上、そこにある財産を燃やすのか?という問いがあり、その場面では、図書館に避難した気象学者の息子、司書、図書館の常連が繰り広げる会話で書物に対する価値観の相違が顕著に現れ、とても見応えがあります。
ニューヨーク公共図書館が実際に所有している、ものすごく貴重な書籍の名前も会話の中に登場します。
また、この映画では司書の活躍もありました。
彼女が司書としての役割を存分に生かして人の命を守り「燃やす以外にも本は役に立つのよ」と名台詞を残したシーンはグッときます。
図書館で結婚式というアイデア
映画『セックス・アンド・ザ・シティ』で、サラ・ジェシカ・パーカー演じるキャリーが、長年の恋人ビッグとの結婚式の会場として選んだのがニューヨーク公共図書館でした。
キャリーが本の返却のために図書館を訪れたときに、そこでパーティーの準備をしているところに遭遇し、ここで結婚式を挙げることに決めたという様子が表現されていました。
読書家でライターでもあるキャリーが図書館で結婚式って素敵!!と思ったのものの、この後あのビッグがまた・・・という顛末でした。
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