図書館は静かな空間で、さらにそこでは、勉強や調べものなど、学習が行われる場所であるというイメージがあると思います。
映画『セックス・アンド・ザ・シティ』の中で、主人公のキャリーがニューヨーク公共図書館で結婚式をあげようとするシーンがあります。
大人気を博したテレビシリーズから4年後、一緒に棲むアパートを探していたキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)とビッグ(クリス・ノース)は、最上階の素晴らしい物件を気に入り、契約することにします。
ある日、キャリーは、ミランダ(シンシア・ニクソン)、シャーロット(クリスティン・デイヴィス)、LAから遊びにきたサマンサ(キム・キャトラル)の3人とクリスティーズのオークションハウスへ行きます。
サマンサは、女優ブレア・エルケンが出品した花の指輪が目当てですが、その指輪が持つ”3度の離婚歴のある男性と結婚することなく10年過ごした挙句、ある日突然捨てられ、腹いせにこのオークションに出品した”というストーリーに、キャリーは自分の状況と重ねて不安がよぎります。
キャリーはビッグに、自分が住んでいるマンションを売り、新居の購入資金に当てることで法的にも2人の部屋にしたいと提案しますが、その話を聞いたビッグは結婚を提案します。
キャリーは驚きながらも快く受け入れ、2人は結婚式をあげることになります。
映画『セックス・アンド・ザ・シティ』にみる図書館シーン
ある夜、キャリーはベッドで「偉人たちのラブストーリー」という本を読んでいます。
ビッグ:いまどき図書館で本を借りるニューヨーカーがいるのか。
キャリー:本のにおいが好きなの。
その後、場面は本を返却するためにニューヨーク公共図書館に向かうキャリーの姿が映ります。
ここでは、「結婚式のことで頭がいっぱいで本を返却するのが遅れた」という語り手としてのキャリーのセリフがあり、キャリーが延滞金を払っていると思われる場面が一瞬映ります。
その後、2階でパーティーの準備が行われている現場に遭遇します。
映画『セックス・アンド・ザ・シティ』にみる図書館のケーススタディ
図書館で本を借りると、「この日までに返してください」という”返却日”が設定されます。
たまに、図書館で本を借りるのにお金がかりますか。と聞かれることがありますが、日本の図書館では、貸出カードを作成するのも本を借りるのにもお金はかかりません。
本の返却期限に遅れたら延滞金がかかるということもありません。
しかし、このルールは、図書館の運営を管轄する機関によって異なるため、世界共通ではありません。
国ごとに異なるものでもなく、州や県によって異なる国もあるし、ニューヨーク公共図書館は私設なので、公共のシステムとは異なる側面もあります。(ニューヨーク市の図書館運営はかなり特殊です。)
延滞金はかからないとはいえ、図書館の本は公共の財産で、”返却日”の設定は、その本を利用したい人にきちんと行き渡るために大切な制度です。
返却日を守るということは、ルールを守ることです。
映画『セックス・アンド・ザ・シティ』にみる図書館用語
返却(return)
貸出していた図書館資料が戻されることです。
返却を受けると図書館では速やかに貸出記録を解除あるいは抹消し、あわせてその資料に予約が入っていないかどうかをチェックします。
返却のしやすさが利用のしやすさにつながること、また、必ずしも資料の返却時に貸出記録の解除、抹消をしなくてもよいことから、開館時間外にも資料の返却を受け付けるブックポストを設置している場合が多いです。
参照リスト
マイケル・パトリック・キング監督 2008.『セックス・アンド・ザ・シティ(Sex and the City)』(Warner Bros./New Line Cinema/GAGA)
日本図書館情報学会「図書館情報学用語辞典(第4版)」
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