ケーススタディ017:文学少女は図書室で誘われる(1)

 

映画『キャリー』には、男子学生が高校の図書室でいじめられっ子のキャリー(シシー・スペイセク)をプロム*に誘うシーンがあります。

 

*アメリカの高校で学年の最後に開かれるパーティー

 

 

ここは、主人公キャリーではなく、誘う側の男子学生トミー(ウィリアム・カット)の視点から見ていきたいと思います。

 

トミーは、最初、キャリーをいじめていたグループのスー(エイミー・アーヴィング)の彼氏です。

 

キャリーをいじめていたことに罪悪感を持つようになったスーは、罪滅ぼしのために、プロムでキャリーに楽しんでほしいと思うようになります。

 

スーは、自身の彼氏であのトミーに、キャリーをプロムに誘ってとお願いします。

 

 

映画『キャリー』にみる図書館のケーススタディ

 

 

キャリーは引き続き、自分に宿った超能力について調べるために図書室にやってきます。

 

>>ケーススタディ016:いじめられっ子は、図書館で奇跡の力を調べる

 

そこに、キャリーをプロムに誘いたいトミーが現れます。

 

トミー:Hi, Carrie.(字幕翻訳:キャリー)
キャリー:(慌てて本を閉じて)Hi.
トミー:How are you?(元気かい?)
キャリー:OK.(ええ)
トミー:Good, Aah…What do you do.(何を?)
キャリー:Reading.(読書よ。)
トミー:Yeah, What are you reading.(何の本を?)
キャリー:Spea…Ah..Sewing.(裁縫の。)
トミー:Sewing,nice good.(いいね。)
Ahn…You don’t have a date for the prom next Friday. Would you like to go with me?(金曜日のパーティーに僕と行かないか。)

 

キャリーは驚いてトミーの方を見ます。

 

トミー:Prom. Next Friday…. (パーティーさ。今ごろ遅いが…)

 

予想外のことに驚きすぎたキャリーは立ち去ります。

 

実は、スーがトミーにキャリーをプロムに誘うようお願いする前に、文学の授業で自作の詩を発表したトミーが教師にからかわれ、その詩についてキャリーが「beautiful」と言うシーンがあります。

トミーは少し救われたような表情をみせます。

 

トミーは、キャリーは文学への興味があり、誘うには図書館がよいと考えたのかも?

 

 

さてこのシーンでは、高校図書室の機能を説明するようなことは何も描かれていません。

 

キャリーが調べている事項(念力や超能力)も公共図書館で調べた方がよさそうなことですが、学校が舞台の映画は、その象徴として図書館が登場することがたまにあります。

 

▼キャリーが図書室を利用している理由はこちら

ケーススタディ016:いじめられっ子は、図書館で奇跡の力を調べる

 

さらに、今回の『キャリー』同様、デートに誘ったり、好きな子に声をかけてみたり…などもよく見られる傾向ですが、その場合、映画の登場人物おもに主人公)が文学少女であることが多いです。

 

文学少女が図書館をきっかけに恋愛をはじめる場面が描かれるそのほかの映画

 

▼『耳をすませば』:主人公の月島雫が本好きの少女

ケーススタディ013:図書館の貸出カードで他人の貸出履歴をチェック

ケーススタディ014:図書館を通じて相手の読書傾向を知る

 

▼『クリスティーン』:ヒロインのリーが文学少女

ケーススタディ018:文学少女は図書室で誘われる(2)

 

▼『ある愛の歌』:図書館でアルバイトをする学生が、他大学の男子学生を誘う

 

 

▼『ハリーポッターシリーズ』:主人公ハリーと仲良しのハーマイオニーが読書や勉強好き

 

 

 

 

▼「トールガール(Netflixオリジナル映画)」:主人公のジョディが文学少女

 

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