ケーススタディ020:他大学図書館の相互利用

 

映画のストーリーは知らなくても、「愛とは決して後悔しないこと(Love means never having to say you’re sorry.)」というセリフと、フレンシス・レイの音楽を一度は聞いたことがあるはず『ある愛の詩』。

 

身分の違うふたりの純愛は、大学図書館の相互利用のサービスからはじまります。

 

 

ある日、ハーバード大生のオリバー(ライアン・オニール)が、ラドクリフ女子大の図書館にやってきます。

 

学生アルバイトのジェニー(アリ・マッグロー)がカウンターで対応するのですが、彼女はどういう目的か、オリバーの利用を拒否し、ふたりは、図書館を使える(使う許可がある)使えない(使う許可がない)の言い争いをします。

 

>>ケーススタディ019:他大学の学生の利用を拒否し、デートに誘わせる学生アルバイト

 

はじめのうちは、苦学生のジェニーが、大富豪の御曹司であるオリバーに嫌がらせをしているのかと思うのですが、徐々に、自分を誘わせるように仕向けていることがわかってきます。

 

『ある愛の詩』にみる図書館のケーススタディ

 

学生に限らず、職員などの身分でどこかの大学に所属していると、自身が所属する大学図書館に希望する資料がない場合、他大学図書館の資料を取り寄せたり、コピーを郵送してもらったり、または、実際に希望する資料を所蔵する図書館に行って、利用することができます。

 

それを、図書館協力相互利用と言いますが、他大学の図書館を利用するためのそれぞれのサービスを、おもに下記のようにいいます。

 

  • 資料そのものを取り寄せること「現物貸借」
  • 資料のなかの該当箇所のページのコピーを自身が所属する大学図書館に郵送してもらうこと「文献複写」
  • 利用したい資料を所蔵している大学図書館に行って、直接利用すること「他大学図書館の利用」

 

それぞれのサービスを受けるには、所属する大学図書館のカウンター(おもにレファレンスカウンター)で必要な手続きを行うことで、利用が可能となります。

 

 

『ある愛の詩』のこの場面では、ハーバード大学の学生であるオリバーが、直接ラドクリフ女子大学の図書館に行っていることから、他大学図書館の利用にあたります。

この場合、事前にオリバーがハーバードの図書館で手続きを行い、ハーバードの図書館職員がラドクリフの図書館に取り置きを依頼しているということになります。

同時にオリバーは、ハーバードの図書館に紹介状を発行してもらい、図書館に入館する時にそれを提示して入館を許可してもらう。という流れが一般的です。

 

この映画のシーンでは詳しい描写はありませんが、ラドクリフ女子大はハーバード大の提携校であるため、自由に入館できる可能性もあります。

 

ジェニーは学生アルバイトという立場でありながら、その利用を拒否するという有るまじき行為を行い、その手法でデートに誘わせることに成功しますが、実際にはあってはならないことばかりか、学生アルバイトが対応することはほとんどない業務です。

 

 

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