一目でわかる、ステレオタイプな司書像の完成!

 

口コミで話題を呼び、全米で大ヒットした映画『JUNO』には、図書館が登場する場面はありませんが、ないが、このような描写がある。

 

16歳で予期せぬ妊娠をしてしまった女子高生のジュノ(エリオット・ペイジ=公開当時エレン・ペイジ)は、ある日、校内で体育会系の男子学生にちょっかいを出され、不安とストレスでイライラしている彼女は、口にこそ出しませんが、心の中でこのようなセリフを吐きます。

 

 

ああいうタイプは変な女が好き。

 

べっこう縁のメガネにエコな靴

ゴス・メイク

チェロを弾きカタい本を読む

 

図書館勤めが夢の女の子。

 

本当はそんな“ヘンな女の子”が好きなくせに、チアリーダータイプの女子が好きなフリをしている。

 

 

このジュノの心の声は、丁寧にも映像化され、彼女のセリフごとに女の子の身に着けるものがコロコロと着せ替え人形のように変わり、最終的にその少女は、ベージュのニットの上に茶色のカーディガンを羽織り、真珠のネックレスに眼鏡チェーンを身につけるというその年齢にふさわしくない最強に地味な格好に仕立て上げられます。

 

さらに、彼女の前には本が積まれ「Librarian」のプレートが置かれた机のセットが現れます。

 

はたして、映画にみる完璧なステレオタイプな司書像の完成です。

 

 

強いて言うなら、「ゴス・メイク」と「図書館勤めが夢の女の子」というのはあまり結びつかなかったし、こういうタイプの女子が実は体育会系の男子に好かれやすいとも思わなかったのですが、「図書館司書」という職業は、いかんせんステレオタイプに描かれやすい傾向があり、それをものの見事に一目で分かるように描いた場面です。

 

そして、ジュノのこのようなセリフを聞いて、「「ゴス・メイク」と「図書館勤めが夢の女の子」というのはあまり結びつかなかった」と、感想を漏らしたくなるということ自体、実際に図書館で働いた経験を持つわたし自身でさえある程度の固まったイメージがあるということを認めざるを得ません。

 

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